陶芸専攻 教授工藤 良健
Profile
地元・南丹市に自宅兼工房を構え、TASKの開校前から尽力。現在は教務部長も兼務。
小学生の頃から勉強より、ものづくりが大好き。徹夜でプラモデルに熱中するほど。高校3年生で進路を考えたすえ、陶芸を学ぶ学校に入学。それから数十年、陶芸の道へ。
「技術+感情」
想いをカタチにする
「自分のものづくり」を。
Kudo Yoshitake
「ものづくりが大好き」な人なら、
大丈夫。
TASKの学生について
TASKは特殊ですよね。入学した瞬間から、将来の方向性がある程度、決まりますから。ものづくりの世界に携わって生きていくんだ、という覚悟は必要です。何となくでやっていると技術を習得する力が弱いし、ダメなら他のことをやってみるのでは続きません。
でも、まだ覚悟が固まっていない人でも、「ものづくりが、大好き」という人なら大丈夫です。
本質を学ぶことで、伝統工芸の道で
生きていくプロが育つ。
陶芸の技を学ぶなかで、
大事なこと
焼き物と呼ぶぐらいですし、やっぱり「焼く」ことが本質であり大事です。「焼く」ことの本質を知るには、自分の手で薪を使って燃やす、窯焚きで焼き上げるのが一番です。4~5昼夜、焼成し続ける実習では、少しでも手を抜いたり油断したりすると、温度が下がって不安定になってしまいます。炎の色や頬に当たる熱風、その変化を感じ取って奥深さに気づく。そうやって、初めて焼き物の本質が見えてきます。
さらに言えば、本質は土選びから始まります。まず、自分がつくりたい器やカタチの完成図を想像する。そのために、どの土を選び、どんな作り方や装飾をして、釉薬をかけるのか。
一つにつながるものづくりの流れを、自分で考えてイメージできないと、いいものづくりはできません。でも学生のみなさんは、それができるようになるんですよ。
想像から創造へ、本質の学びを深めていく
1・2年生には技術的なアドバイスと反復練習で、基本を徹底的に学んでもらいます。TASKで教えるのはお金に変わるプロの技術です。学生のみなさんに何を提供すれば、短期間でも高いレベルに駆け上がってもらえるか。そのことを、いつも考えています。
昔は、師匠に弟子入りする徒弟制度が一般的でしたが、TASKなら入学したらすぐに「ものをつくる」基本を学び始めることができます。
一人ひとりの「らしさ」が、
心を惹きつける魅力に。
「自分のものづくり」とは
小説家は自分の作品で、文字を書いて想いや考えを伝えます。それと同じで、私たちは「カタチ」にして、何かを伝えようとしています。技術に感情や感性が伴うことで、いいものづくりができるようになります。
基本が身に着いた学生には、もっと丁寧に、大胆に、と感覚的なアドバイスが中心になります。センス、想い、雰囲気。Aくんがつくった器には、Aくんらしさの魅力が感じ取れるように、「表現をつくる」ということです。
想いを伝え人を魅了する
自分の伝えたいことを簡潔にまとめ、一つの器のなかでカタチとして見せる。それ以外のことは、すべてそぎ落とす。そのレベルまで辿り着くと、想いが伝わり、他の誰かに喜んでもらえるようになります。
大きい、薄い、と言葉で表現できるものは「凄い技術ですね!」と褒められます。でもそれだけで、買いたいと思う人は少ない。言葉にできないし、よくわからないけど「この雰囲気が好き!」と喜ばれるから、お金を払って手に入れてもらえる。心を惹かれる、魅了されるって、そういう共感なんですよ。
TASKで学べば、きっとそれがわかるようになります。