江戸時代初期に活躍した扇子絵師、宮崎友禅斎を祖とする京手描友禅。生地の上に糊を置いて防染する糸目糊置という独自の染色技法や、輪郭や細部の線描写を豊かに表現した模様絵などが特長です。
1・2年次は各工程を学んだうえで「染帯」を制作。3年次からは「訪問着」を制作します。京手描友禅の技術は、下絵、糊置、引染め、挿友禅など分業制ですが、本校では一連の工程を指導し、デザインスキルを併せ持った業界の担い手を育成します。
染色家 / 着物デザイナー / 手描友禅職人 / 染色加工職人 / 金彩職人 / 商品企画 / 体験教室インストラクター 他
学びのポイントTASK Method
カリキュラムcurriculum
絵師としての
アイデアを磨く
課題01
下絵
意匠図案にもとづいて下絵を描きます。構図に絵師の鋭い感覚が要求される工程です。水で洗うと落ちる「青花液」を使います。つゆ草など天然ものと化学合成のものがあります。
絵心と力量の
バランス
課題02
糊置
染料がにじまないよう、下絵に沿って糸目糊を置いていきます。絞り出すように糊を引きます。約束事をすべて心得、下絵の良さを引き出し、不十分なところを補える絵心と力量が必要です。
複雑な筆遣いと
色彩感覚を養う
課題03
挿友禅
薄い色から濃い色へ。筆と刷毛を駆使して、糸目防染された模様の部分に色を挿していきます。
友禅の美しさの決め手は「胡粉」という染料に挿す「白」。胡粉ぼかしをいかに上手くできるかが腕の見せ所です。
金彩で友禅の世界観を
雅やかに
課題04
金彩
金・銀の箔を用いた豪華な装飾。金くくりや押し箔、切箔、摺箔、砂子などの繊細な技術で京友禅ならではの美しさを表現します。
友禅を華やかに盛り上げるのが金彩と刺繍。
京都の金彩は、金沢の金箔を使い雅やかで品格のある世界を表現します。
TASKで築く、
未来への道
TASK Method
約80%が実習
TASKの学びの基本は、実際に手を動かすこと。
カリキュラム全体の50%は専門実習で、デザイン・演習科目を含めると、 実に約80%が実習・演習系の授業です。学生たちは常に課題に取り組み、一流の工芸士から直接指導を受けて腕と感性を磨いていきます。
TASK Method
展覧会
さまざまなプロジェクトや展覧会へ積極的に参加し、学びを実践の場で磨いています。
各専攻の学生が取り組んだ成果を展示し、表彰されます。
TASK Method
就職率91.8%※2020年度 就職率
「社会で確かに活躍できる力」を養うことを目標として掲げる学校です。そのために実践を重視した授業やインターンシップなど、多彩なカリキュラムを導入しており、就職決定までをフルサポートしています。
インタビューInterview
先生の声
Professor's Voice
これまでは友禅と言えば着物や帯でした。しかし、これからは既成概念にとらわれることなく、新しいものを作り、可能性を広げていけばよいと思います。その一方で友禅という伝統工芸を通じて、手で作ることの良さ、そして日本の文化の良さを知り、広く伝えられる人になってほしいです。
木戸 源生講師
伝統工芸士・京の名工
学生の声
Student's Voice
京手描友禅は、デザインから配色までを自分好みにしながら、伝統技法を用いた世界に一つだけの着物や帯を作れるのが、とても魅力的です。身につける技術も工程によって異なり、下絵の作業から後の金彩まで全ての作業が後につながっていくため、どの工程も慎重かつ丁寧に進めることが大切だと日々感じています。
中村 佳緒理
工芸コース 3年生/光明学園 相模原高校(神奈川県)出身