金や銀によって、華やかだが華美ではなく繊細に描かれる京蒔絵の世界。漆を含ませた筆で紋様を描き、そこに金粉や銀粉を蒔いて定着させる蒔絵の技法である「平蒔絵」、「研出(とぎだし)蒔絵」、「高蒔絵」や「青貝・螺鈿(らでん)」といった加飾技法を基礎から学びます。また、「塗り」や「呂色(ろいろ)研ぎ」、「箔押し」の技法も課題を通して習得。オリジナルのデザインを作品世界に活かせます。
目指せる主な職業漆芸家 / 蒔絵師 / 箔押し師 / 仏具職人 / 体験教室インストラクター / 沈金師 / 文化財修復士 / 学校教員 他
学びのポイントTASK Method
カリキュラムcurriculum
何度も繰り返し、
手が筆遣いを覚えるまで
課題01
蒔絵手板I
向かって左が網目紋様で曲線を、中央が紗綾形で直線を、右が青海波で線の太さを描き分ける練習をします。筆を手前に引いて描くという、独特の筆遣いに慣れていきます。
初歩的な図柄ですが、最初はまっすぐな線を引くのも一苦労。小指を支えにして一点に固定。線の太さはもちろん、高さにも気をつけます。
漆の特性を知り、
各技法を学ぶ
課題02
蒔絵手板II
亀や梅、ブドウなどの紋様を描き、研出蒔絵や高蒔絵、高台寺蒔絵などの技法を学びます。研ぎや磨きなど工程も増えるので、より高度になります。
高台寺蒔絵とは、表面に漆を塗り、金や銀などの梨地粉をまき、その上に漆を塗って粉が露出しない程度に研ぎ破る特殊な技法です。
より高度な技法で
個性を磨く
課題03
肉合蒔絵
銀粉や炭粉を用いて高上げし、研出蒔絵、平蒔絵と組み合わせることで立体感を出します。高上げは切り立つように、高さを保つように研ぎます。仕上がりの研出蒔絵とのつながりが、なだらかになるように研いでいきます。
TASKで築く、
未来への道
TASK Method
約80%が実習
TASKの学びの基本は、実際に手を動かすこと。
カリキュラム全体の50%は専門実習で、デザイン・演習科目を含めると、 実に約80%が実習・演習系の授業です。学生たちは常に課題に取り組み、一流の工芸士から直接指導を受けて腕と感性を磨いていきます。
TASK Method
展覧会
さまざまなプロジェクトや展覧会へ積極的に参加し、学びを実践の場で磨いています。
各専攻の学生が取り組んだ成果を展示し、表彰されます。
TASK Method
就職率91.8%※2020年度 就職率
「社会で確かに活躍できる力」を養うことを目標として掲げる学校です。そのために実践を重視した授業やインターンシップなど、多彩なカリキュラムを導入しており、就職決定までをフルサポートしています。
インタビューInterview
先生の声
Professor's Voice
蒔絵は本来、分業された工程の加飾の部分ですが、本専攻では下地づくりから行い、すべて一人でできるようにします。蒔絵は技法や材料の組み合わせで、覚えるほどに多彩な表現ができるようになります。無限の広がりを意識しながら技を身につけ、蒔絵の魅力を発信できる人になってください。
中川 寧子講師
学生の声
Student's Voice
TASKでは土台作りから塗りまで学べ、ゼロから蒔絵を作り上げられる技術を身につけられます。また、蒔絵制作には繊細な感性も必要です。私は、園部の大自然や京都の美しい街に感動を覚え、常に感性を磨くよう意識しました。卒業後は地元静岡の指定郷土工芸品の工房で、長く愛され使われる工芸品を作ることが目標です。
石関 華
工芸クリエイターコース 4年生/科学技術高校(静岡県)出身 工芸士2級
【 井川メンパ大井屋 内定 】