木彫刻で学ぶ技法の基本。それは、和室の天井とふすまの間にある欄間彫刻のように、平面の中に立体感をもたせた彫り方です。立体的なつながりをもつ曲線が、多様な世界観を生み出します。
2年次までは木や刃物の特性など一通りの基礎を習得。3年次以降は自由制作を中心に、伝統工芸に限らず、立体彫刻のさまざまな表現スタイルに挑みます
彫刻家 / 仏具職人 / 宮大工 / 文化財修復士 / 版画家 / 人形師 / 体験教室インストラクター / 技能指導員 / 学校教員 他
学びのポイントTASK Method
カリキュラムcurriculum
彫刻刀を手に、
ひたすら丁寧に
課題01
花菱
まずは彫刻刀の使い方を覚えるために、ごく簡単な紋様のレリーフを彫っていきます。花菱というのは、この木に彫ってある紋様の名前です。繊細な柄なので、木の目に沿って彫ることが大切。安定して同じ深さに彫れるよう、刃物もきちんと研いでおきます。
繰り返し、
表現力を高める
課題02
唐草
糸ノコで透かし、叩きノミで粗彫りします。その後仕上げていく過程の中で、奥行きを出したり、より高度なノミ使いを学んでいきます。
出だしから終わりまで、線がずっとつながっていくような見せ方に気をつけて彫り進めます。葉っぱの流れるようなつながりがしっかり出ないと、形にならないからです。
より複雑な造形で
技術を磨く
課題03
丸額
より一層、複雑さが増す造形なので、ノミや彫刻刀など道具の種類も使い方も多彩になります。
もともとは薄い板なので、立体的に奥行きや高さを見せるのは難題です。透かし彫りの技法をマスターしながら、彩色がしやすい加工など、次の工程にも配慮します。
TASKで築く、
未来への道
TASK Method
約80%が実習
TASKの学びの基本は、実際に手を動かすこと。
カリキュラム全体の50%は専門実習で、デザイン・演習科目を含めると、 実に約80%が実習・演習系の授業です。学生たちは常に課題に取り組み、一流の工芸士から直接指導を受けて腕と感性を磨いていきます。
TASK Method
展覧会
さまざまなプロジェクトや展覧会へ積極的に参加し、学びを実践の場で磨いています。
各専攻の学生が取り組んだ成果を展示し、表彰されます。
TASK Method
就職率91.8%※2020年度 就職率
「社会で確かに活躍できる力」を養うことを目標として掲げる学校です。そのために実践を重視した授業やインターンシップなど、多彩なカリキュラムを導入しており、就職決定までをフルサポートしています。
インタビューInterview
先生の声
Professor's Voice
木彫刻の技術を身につけるうえで大切なのは、目に止まったものを造形できるように、日頃から物事を注意深く観察すること。そして絵心と美的感覚を養うことです。刃物を使いますが、扱い方から教えるので、鉛筆を削ったことのない人でも心配無用。ものを作りあげる喜びを仲間とともに味わいましょう。
渡邊 宗男教授
伝統工芸士・京の名工
学生の声
Student's Voice
木彫刻専攻では興味のあることなら何でも挑戦できます。カンナや刃物研ぎ、さらには刃物作りまで学べ、先生との距離も近く相談しやすい環境です。今は、課題以外にも多くの作品を作って技術を高めながら、京都伝統工芸館での学生の実演にも積極的に参加。お客様からお話や感想などを伺い参考にしています。
池田 光希
工芸コース 3年生/有田工業高校(佐賀県)出身